死亡のトヨタ関連社員、基準満たさずとも労災認定 名古屋高裁

header_column

心肺停止で死亡した方の労災認定が名古屋高裁でありました。長時間労働による心疾患被災については、公表されている労災認定基準をもとに判断している例が多いのです。
しかし、この裁判では、被災された方の残業時間は、公表されている労災基準を満たしていないが認定されたとのことですので、労働時間を除く他の事実がどのようなものであったか、裁判の判決文章を入手して読んでみたいと思います。

トヨタ自動車関連会社社員の男性=当時(37)=が死亡したのは過重な時間外労働が原因だとして、妻(39)=愛知県安城市=が国を相手に労災不認定処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が23日、名古屋高裁であった。藤山雅行裁判長は「業務との因果関係は、労災認定基準を満たさずとも認められる」と述べ、請求を棄却した一審名古屋地裁判決と半田労基署の不認定処分をそれぞれ取り消した。

藤山裁判長は「死亡前1カ月の時間外労働は少なくとも85時間と過重で、睡眠時間が減少し心停止に至った」と指摘した。労災認定では、発症前1カ月の時間外労働が100時間を超えることが一つの基準となっている。

判決によると、男性は2011年9月27日未明、自宅で死亡。妻が12年1月に遺族補償給付などを申請したが、半田労基署は同10月に不支給と判断していた。

半田労基署は「判決内容を検討し、関係機関とも協議して対応を決める」とコメントした。

(時事通信)
2017年2月23日

どうする?プレミアムフライデー

header_column

今週の金曜日は、プレミアムフライデーです。

政府と民間団体でつくる推進協議会のホームページによると「個人が幸せや楽しさを感じられる買物や家族との外出、観光」ができる時間を創り出そうという取り組みを実施するようです。

モノを買ったり、コトを体験したりして消費を高める狙いがあるようですが、働く人が消費をする時間を作れるかどうかは、企業が就業時間を切り上げて帰ることを推奨するかどうかに左右されます。

定着するのかどうか様子見の企業が多いのではないかと思っていますが、大企業は自社のホームページ等で取り組みを公開し始めています。っと言ってももう今週末が1回目のプレミアムフライデーですから、現時点で扱いを決めていない企業は、様子見をしようと思っているのではないでしょうか。

 

一方で経団連や推進協議会に賛同している企業は、積極的に取り組むという調査結果を公開しています。

「既に 働き方の改革取り組み始めている」27.9%

「働き方改革の実施が決定している」7.3%

「現在、前向に検討中」18.5%

「今後、前向きにする予定」22.7%

であり、以上から何らかの動きがある企業の合計は76.4%になったそうです。

もともと小規模企業は働く時間の社内ルールが個別的柔軟なところがあるため、月末金曜日にみんなで有給休暇を取りましょう!という動きになりづらいのかと思います。

そもそも社員が何時間働くかではなく、どんな付加価値を沢山作りだすかが重要であります。最適な労働時間で作り出す付加価値を高めたいという取り組みが続くと考えます。

過去には、徐々に週休二日制度が浸透していったように、今回のプレミアムフライデーが浸透されていくかどうか見守っていきたいと思います。
プレミアムフライデー推進協議会のページはこちらです。
https://premium-friday.go.jp/

働き方改革会議時間外の上限案

header_column

政府が行っている働き方改革会議の第7回目(2017.2.14)の議事資料が公開されています。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai7/gijisidai.html

その中で、改革官房働き方改革実現推進室は、時間外労働をさせることができる「ひと月と1年間の上限時間」を法律に具体的に規定する方向性を示しました。(下記2ページから4ページ)

36協定により法定労働時間を延長できる時間外労働時間の原則(案)は、

●原則 1)月45時間かつ年間360時間とする

●特例 2)臨時的な特別条項をつけた協定は1年720時間(月平均60時間)とする

●特例 3)月45時間を超えて時間外労働をさせるときは労働者側のチェックを可能とするために別途臨時的に特別な事情がある場合にあるという労使協定を義務つける

●そのほか4)現在上限時間の適用から外れている次の3つは対応を検討する。

1.新技術、新商品等の研究開発業務

2.建設事業

3.自動車の運転業務等

●そのほか突発的な事故や災害その他避けることができない事由については引き続き時間外労働を認める。

これについては、多くの委員が法定労働時間を延長できる時間外労働時間を定めることに賛成をしているようです。具体的な時間数については、意見がわかれています。

月に45時間を超えて時間外労働をさせるときは労働者側のチェックを可能とするために別途臨時的に特別な事情がある場合にあるという労使協定を義務つける。ことについては、労働組合がある大企業ではすでに数十年前から何らかの労使の協議の場が持たれていたもので、ただし、月45時間を超えた事後に話し合う企業が多いように思いますが、それを事前に労使協定が必要だと提いう提案になっています。

労働組合の結成率が低い中、事前の労使協定をどのように締結するのか、実務面で運用が継続できる企業は多くないと思います。

引き続き見守りながら取り上げていきたいと思います。

siryou2_2 siryou2_3 siryou2_4 siryou2_5 

がん患者等就労支援のセミナー

header_column

代表も所属している東京都社会保険労務士会から公開セミナーの案内が届きました。

企業の人事部門の方に参加いただきたいとのことです。先着150名様まで聴講できます。

東京都社会保険労務士会 社会貢献委員会 がん患者等就労支援部会主催

がん患者就労支援セミナー「これから始める仕事と治療の両立支援~大切な社員を失わないために~」

2017年2月22日 13:30~16:30

場所:御茶ノ水ソラシアアカデミア4階

参加費:無料

お申込用紙と詳細は東京都社労士会のこのページで確認ください。

▽▽▽

http://www.tokyosr.jp/wp-content/uploads/2016/10/b281f3c1ce285935a2f754fc4671cc71.pdf

労働時間の適正把握ガイドライン

header_column

厚生労働省は、企業が時間外労働の把握を必ずしも適正に行っていない例があるとして、適正な把握を指導するガイドラインを更新しました。法令ではありませんが、趣旨を理解して、企業の中で労働時間管理の運用を改めて精査することが求められています。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(H29.1.20策定)

は比較的細かく具体例を挙げて示しています。ただし、従来からの考えに変更点はないと考えます。それでは、概要を紹介します。

 

〇1-1始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法 は、

使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいず れかの方法によること。
ア 。使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
イ 。タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎 として確認し、適正に記録すること。

としています。使用者が自ら全社員の始業と終業時刻を把握するのは、実質的には完全に実施できないと思われるため、タイムカードや入退室記録等の客観的な記録によって把握することを求めています。

 

〇1-2代替的な方法として自己申告制度とするならば、

PCの使用時間等と自己申告時刻がかい離していないか、使用者が適正に管理をすることを求めています。

 

→コメント:運用上の問題として、タイムカードやICカードの記録は、社屋や執務室に滞在した時刻の記録であることが多く、執務室等に入ってすぐに仕事にとりかかっていない職場は、タイムラグがります。

一方で、エクセル表や出勤簿アプリ等に自己申告させる方法は、記録忘れ・過少または過大に申告することがあります。また、昨今問題になっている使用者が時間外時間を過少申告するように強いる違法行為がこなわれることもしばしばあります。

これらは、労働時間を適正に申告することを労使の当たり前の習慣および共通認識にすることが重要になります。

 

〇2自主的な研修等であっても使用者の指揮命令下のもとかどうかについては、

実際に使用者の指示によって業務に従事しているという状況であれば労働時間として扱わなければならないとしています。

例えば、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではな いと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど 使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間と して扱わなければならない。 と事例をあげています。

 

→コメント:この扱いも従来から変わらない指導内容ですが、改めて検証して、自主的な教育訓練と判断している時間が実は使用者の指示によるものである場合がなくわない現状があれば正すべきものです。

 

厚生労働省のガイドラインは、こちらで確認ください。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000149439.pdf

労働紛争解決システムの在り方

header_column

1月30日に厚生労働省の有識者検討会では、裁判で解雇が不当と判断された場合に、職場復帰ではなく金銭的に解決ができるルールつくりの検討がされたといいます。

検討化は、労働紛争解決システムの在り方について話し合いがされており、昨日は第12回目。
昨日の資料がこれから掲載されると思いますので、このページで今後読んでみようと思います。

透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=307309

プレミアムフライデー

header_column

徐々にPRがすすんできたプレミアムフライデー。働き方改革のためかとおもいきや、経済産業省や経団連などが連携して消費を高めようという動きが先行したようです。

月末の金曜日に企業や社員に対し15:00を帰宅の目安にするように呼びかけるようです。
御社はどうされますか?と投げかけるだけでは無責任な気がします。

飲食業や物販をする企業の社員は、その消費者をお得なサービスを用意してうけとめるという動きもあるようです。ですから、とりあえず月末の金曜日に早く帰ることができないですね。その分月初などの違うときに早く帰りましょうという動きがでてくるのでしょう。

どこまで定着するのか、まずはためしにやってみようということかもしれません。

傷手の審査会裁決セミナー

header_column

1月24日は、一般法人企業福祉・共済総合研究所で傷病手当金の社会保険審査会動向を話しました。

健康保険は、私傷病やけがで労務ができないときに傷病手当金が払われます。

きょうかい健保が発表した給付資料によると、
精神および行動の障害で傷病手当金を給付した件数は、年々増加しています。

年度別に傷病手当金の受給の原因となった傷病別の件数の構成割合をみると、消化器系の疾患は、平成7年は14.64%でしたが、平成27年は4.04%と大幅に減少しています。その一方で、精神及び行動の障害は、平成7年は4.45%であったが、平成15年には10.14%と10%を超え、平成27年には27.51%と大幅に増加しています。

傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から起算して一年六月を超えないものとする。と決められているので、

繰り返し休むことが多いうつ病などは、2回目以降の労務不能の期間について、すでに支給した日から起算するかどうかによって、いつまで支払うかが問題になることがあります。

また、労務不能かどうかを給付実務の上で迷うケースもあります。

今回は平成20年から26年まで18の審査資料を基に健康保険組合の運営に携わる方々に解説をしました。次回セミナーは平成29年6月1日に開催が予定されています。

厚労省の長時間残業 監督指導結果

header_column

厚生労働省は、平成28年4月から9月までに、長時間労働が疑われる 10,059 事業場に対して実施した、労働基準監督署による監督指導の実施結果を公表しました。

この監督指導は、1か月当たり80時間を超える残業が行われた疑いのある事業場や、長時間労働による過労死などに関する労災請求があった事業場を対象としています。

80時間超を基準にしているのは、

「脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね 100 時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね 80 時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため」としています。

対象となった 10,059 事業場のうち、違法な時間外労働を確認したため、是正・改善に向けた指導を行ったのは4,416(43.9%)事業場でした。
なお、このうち実際に月80時間を超える残業が認められた事業場は、3,450事業場(78.1%)でした。
厚生労働省の報道発表ページへ

厚生労働省は今後も、月80時間を超える残業が疑われる事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行っていく。

としています。

企業は、適正な労働環境を整えることと、結果を出していく取り組みがますます重要になると思います。