雇用規制、人材派遣分野緩和へ 無期限派遣、全業務で

雇用規制、緩和にカジ 人材派遣分野、先行へ 無期限派遣、全業務で
ニュースソース 日本経済新聞 2013.10.5 朝刊

政府の雇用制度改革案が4日、出そろいました。雇用規制を大幅に強化した民主党政権の方針を転換。4日の規制改革会議は「幅広い業務で期限を定めずに働ける派遣制度」を提言しました。雇用規制の緩和は、人材派遣の分野で先行する見通しです。ただ、地域を限って規制を緩める国家戦略特区での解雇ルール緩和は厚労省が慎重姿勢を見せており、実現は微妙です。

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現時点で、実現可能な方針になってきているものを書き上げてみます。

  • 派遣元の企業と無期雇用契約をする派遣社員は、無期限で派遣社員として働くことができるようになる。
  • 同じ職場の職種に継続して派遣労働者を配置できる期間上限を緩和。人が変われば継続受け入れが可能になる。
  • 30日以内の、いわゆる日雇い派遣禁止を見直す。
  • 地域を限定して解雇条件を緩和するものは、慎重に検討。

3つめの日雇い派遣は、働く人の生活が不安定になることを防止する目的等で禁止になっていますが、セレブ派遣と呼ばれている「年収500万円」要件を満たす人は、現在も日雇い派遣が認められています。
本人が主たる仕事で500万円を得ているか、世帯収入で500万円を得ているときは例外的に日雇い派遣で働けるというものです。
現在日雇い派遣を認めているのは、年収がしっかり得られている人に限っているわけです。
ただし、この年収500万円の確認が、必ずしもきちんと行われていない派遣元会社もあり、現在の禁止規定の実行力は限定的だとする人もいます。

また、短期間で働きたい労働者の希望もあることを考慮して解禁しようという提言もあるようです。

日雇い派遣を選択しなければならず、派遣終了と同時に住まいを失う人が出ないような運用がなされる前提で、日雇い派遣は解禁されるのかもしれません。今後の動向を見ていきたいと思います。