育児休業給付は67%になる見込みです

厚生労働省の労働政策審議会(会長:樋口 美雄 慶應義塾大学商学部教授)は、
雇用保険の育児休業給付の充実や教育訓練給付の拡充などを盛り込んだ法律案要綱※1 をおおむね妥当、平成26年度の雇用保険率を現行の1.0%に据え置くことを盛り込んだ告示案要綱※2 を妥当と認め、田村憲久厚生労働大臣に答申しました.

育児休業給付は50%から引き上げられて67%になる見込みです。
今後の改正を見守りたいと思います。
厚生労働省のページリンクです。

年金積立金の運用利益が過去最高に

株高と、円安などの環境改善の影響で、2013年の公的年金の運用益は過去最高の約18兆円となり、12年(約9兆円)から倍増した見込みとのことです。

公的年金が高齢化による給付増で積立金を2009年度から毎年3兆~6兆円を取り崩してきたのですが、その4年分の取り崩し額にほぼ見合う運用益を1年で稼いだようです。国の経済力が強いか弱いかで、こうも違ってくるというのですね。安定的に改善されることは、将来の安心につながり、現役時代の消費に活気が出てくるでしょう。

[参考]
国民年金と厚生年金の約120兆円の積立金は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用している。
13年の運用利回りは過去最高の約18%に達する見込み。

ニュースのソースは、日経新聞2014年1月10日付け朝刊より

育児休業手当を最初の6か月間引き上げ検討

厚生労働省は、男性も女性も育児休業を取得していくことを促進するため、雇用保険から受けられる育児休業給付の給付率を引き上げる検討をしているようです。
具体的には、女性が産後に健康保険から56日間受けられる出産手当金の水準を踏まえて、育児休業開始時から最初の6か月の間について67%の給付率(※)としてはどうかと内部の審議会で提案しています。
(※)育児休業給付は非課税であり、この期間の社会保険料の負担は免除されており、休む前の給与と比較してもかなり高い保障額となります。

育児休業をとって職場復帰する女性の後押し、仕事を辞めずに第二子以降の子供を産むのは男性の育児参加が望まれるということで、検討されています。

詳しい資料は、

第93回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会資料でご覧いただけます。http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=192821

上記の資料のうち育児休業手当引き上げの提案資料はこちらです。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000027872.pdf

年金の通知

20以上で年金を受け取る前の人たちに毎年ならかの通知が年金機構から送られてきます。
若い人は、気にとめていない人もおられますが、受給年齢に近い方々から、質問を受けますので、送られてくるタイミングをまとめてみました。

(1)誕生月に送られてくるもの

・35歳、45歳、59歳の誕生月…履歴等がある封書のねんきん定期便
・上記以外の誕生月…はがきの簡易版のねんきん定期便

(2)特別支給の厚生年金を受け取れる人に誕生月3か月前に送られてくる
年金を請求するための書類等(平成25年現在)

*特別支給の厚生年金を受け取れる誕生月の3か月前に年金請求書
が届きますので、下記の年齢は今後引き上げられていきます。

**必要なことを記載して返信します。在職老齢年金の制度で年金
が減額される人も提出しておくことによって、給与などの標準
報酬から計算された在職老齢年金を受け取れます。
・厚生年金の加入が1年以上ある61歳の男性…年金請求書
・厚生年金の加入が1年以上ある60歳の女性…年金請求書
・厚生年金の加入が1年以上ある60歳の男性…請求できるのは61歳で
あるため請求書ではなく年金のお知らせはがきが届きます

社会保障制度改革国民会議 ここに注目

中長期的に社会保障制度を考える提案として行われてきた専門家の会議の最終報告書がまとまり5日に発表されました。ニュース等でも耳にされたと思います。

昨夜のニュースで街頭の声として取り上げられているものには多少なりともテレビ局編集の偏りがあると思います。そこで、

社会保障の給付を考えるときに、国民の多数が自覚しているけれどもなかなか口にしない大事なことが街頭からのメッセージとして取り上げられないことが残念です。

「老後の生活の自助努力や子供など家族の私的負担」や、年をとっても豊かに過ごせて病気にならない「自分の健康管理」があったうえで、それでももしものときにささえあうもの。社会的に備わっているものが社会保障ですよね。超高齢化といわれるようになるわが国では、みなさんが思っているこの当たり前のことを声にして確認しあっていくことが大事だと思います。

ウェブで読める報告書は46ページありますが、こうしたことに触れていないか読んでみると、ああ!よかった!!書かれています。こうしたことをマスコミもテレビで流してほしいです。

ここまで読んで下さった皆さま、報告書6ページを抜粋しましたので、ご一読していただき共感していただければとてもうれしく思います。

↓ ↓

(4)給付と負担の両面にわたる世代間の公平

③「世代間の損得論」と高齢者向け給付の持つ「現役世代のメリット」

年金制度や高齢者医療制度、介護保険制度を念頭に、「世代間の不公平」を指 摘する意見がある。すなわち、「親の世代は、少ない負担で多額の給付がもらえ たが、若い世代は負担に比べてもらえる給付が少ない」という世代間の損得論 の主張である。 しかし、年金制度や高齢者医療制度、介護保険制度は、子どもが老親を扶養 するという私的扶養を社会化したものであることに十分留意が必要である。

例 えば、年金制度が十分に成熟する以前の世代は、親の私的扶養もしながら、自 らの保険料を納めてきたのであり、公的年金の給付と負担だけをみて損得論を 議論するのは不適切である。また、介護保険制度の創設により、家計における 税・保険料の負担は増加したが、一方で介護サービスが大幅に増加し、その結 果、主に女性が担っていた家族内での介護負担は軽減している。

このように年金制度を始めとする社会保障は、単に高齢世代のメリットとな っているだけではなく、高齢世代の生活保障を社会的な仕組みとして行うこと によって、その子や孫の負うべき負担を軽減し、現役世代のメリットにもなっ ていることを考慮する必要がある。

以上、部分的に抜粋しました。報告書全文は、首相官邸ページでご覧いただけます。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai20/gijisidai.html

社会保障制度改革国民会議より

これからの医療、年金、介護、福祉の改革について有識者が提案をまとめる期日が25年8月21日に迫っています。

現在公表の資料では、ザクザクとお金が出てくる「うちでの小槌」は有りませんから、負担と給付のバランス、制度の財源を保険料とするか税とするかなどを長い時間軸で考えるべきだと提案し、骨組みをまとめています。

報告書で制度改革の方向性が提言され、その後の改革論に入っていくと思われますが、

給付と負担のバランスでは、

企業で働く人(男性・女性)と、専業主婦(夫)
現役世代と、給付の受給者
健康な人と、社会保障を多く必要とする人
現役世代の若者と、中高年齢者、高所得者
受給者の一般層と、富裕層など

こうした背景のどの方々に、負担と給付の配分を変えていくのかという議論になってくるでしょう。

例えば年金受給年齢を引き上げることになれば、企業が雇用する義務がある年齢も引き上げられてくることになりそうです。
平成25年4月からは、本人が希望すれば65歳(段階的引き上げ措置あり)まで何らかの雇用形態を用意する改正高年齢者雇用安定法が始まっています。
今後、年金支給開始を引き上げるならば、さらにこの65歳まで雇用という年齢が引き上げになることもあるのではないかと意識しておくべきでしょう。

さて、7月12日の会議では、報告書の骨組みが資料として公表されました。首相官邸のページで読めます。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai17/gijisidai.html

専業主婦・主夫の年金手続きもれに朗報

国民年金制度に改正がありました。わかりにくい第三号被保険者制度ですが、手続き漏れや納付漏れ期間があって現在の年金受給資格25年間の加入期間がないために無年金となる人を救済する制度です。

サラリーマン配偶者が退職したり、65歳になって厚生年金から抜けたとき、または自分の収入が増えて被扶養者から抜けたとき、国民年金の第三号被保険者は第一号被保険者か厚生年金被保険者になるなどの手続きをして自ら納付しなければなりません。サラリーマンの手続きは会社が行いますが、その配偶者の手続きは自分で届け出て納付する必要があるために漏れているケースが見つかっています。

後からでも手続きをしたり納付をすることができるようになりました。手続き漏れについては届け出をすれば、年金が受け取れる資格が生まれるようになるだけです。
ですから、受給金額を増やそうとする場合は、さかのぼって納付(平成27年4月から納付可能)する必要がありますので、きちんと納付してきた人との公平性が保たれていると思います。

企業が手続きすると同時に、社員の配偶者が自分で年金の届けが必要になるケースを社員に説明するようにお願いします。
そして、実際に届け出や納付漏れがある人の救済制度は下記のページで確認できます。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/topics/2013/dl/0701_01.pdf

健保平均標準報酬の格差 

定年や役員退任をする人から、今後の健康保険制度加入について相談を受けることがあります。

75歳までの人が退職したならば3通りの選択があります。

  1. これまでに加入していた健康保険制度に2年間加入する任意継続被保険者になる
  2. 国民健康保険の被保険者になる
  3. 家族の被扶養者として加入する

退職後の収入や、これまでの収入と、1と2については保険料を考慮して加入を選択します。

任意継続被保険者になった場合、これまで会社が負担していた保険料も本人が負担しますので2倍の保険料負担になります。ただし、その健康保険制度の平均標準報酬月額が上限ですので単純に2倍になるわけではありません。

中小企業が加入する「協会けんぽ」は月額28万円が平均標準報酬月額です。

協会けんぽの場合、たとえば45歳以上65歳未満で在職中に50万円だった人は、月額28,800円の負担から→→32,560円になります。

ところで、この平均標準報酬は加入先の健保でずいぶん差があるようです。協会けんぽが28万円であることに対して、大企業の健康保険組合ですと40万円ほどのようです。

健康は保険者が本来取り組むべきことを周知

産業競争力会議の第9回資料より、
今回はレセプトや医療機関の診療記録の活用を取り上げたいと思います。

健康保険制度の被保険者が診療所や病院(以下は病院等といいます)にかかると、費用の社会保険負担分を請求するための書類(以下はレセプトといいます)を病院等が作成します。これらのデータを健康・医療データに生かし産業として成長し、また医療介護など総合福祉の効果的で適正な給付につなげていこうというものです。

たくさんある資料の中に、「健康は保険者が本来取り組むべきことを周知しましょう」という文脈をみつけました。主に生活習慣が原因で病気になるものの場合、具合が悪くなって受診した後のデータを分析したり健康指導をするよりも、一人ひとりの健康管理がこの国の社会保障費を適正化することにつながりますから、とても大事な提案だと思います。

さて、成長戦略で取り上げられているレセプトは、数年前まで紙で作成していたものから電子データにほぼ置き換わりつつあります。このデータには医療行為や処方薬がコード化されています。

産業競争力会議の医療健康産業分野では、こうしたレセプトデータを活用して、効果的な医療方法の分析や無駄使いの削減と健康増進につなげていこうと提案されています。

(ただし、一部の診療所では電子のレセプトになっていないものもあります。また、柔道整復師の保険適用分は、診療報酬支払基金をとおらないので、今回の検討から除かれているように思います。)

先進的な健康保険組合の事例として紹介されているものには、糖尿病の治療を促す健保組合の事例をあげています。健康診断データとレセプトデータを組み合わせて分析して、通院を促したり症状が重い人には本人の了承のもとに生活のいわゆる教育入院を勧めている事例を紹介しています。

健保組合、糖尿病の取り組み例

第9回産業成長力会議の資料のうち健康・医療戦略について(参考資料)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai9/siryou2-2.pdf

第9回産業競争力会議資料はこちら
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai9/siryou.html