<コラム>メンタル疾患に陥らないために

「心の電話相談」は増加傾向にあり年間2万9千件

職場の人間関係で問題を抱える人が増えています。
以前、ブログで紹介しましたが、独立行政法人 労働者健康福祉機構は、労働環境の急速な変化に伴い、平成12年から働く人や家族から寄せられる心の問題相談に専門のカウンセラーが行う電話相談を実施しており、相談件数を公表しています。
平成23年の相談件数は、29,209件でした。

同機構は、「心の電話相談」に寄せられた相談内容をいくつかに分類しています。
その中で、職場の問題では「上司との人間関係」に続いて、「同僚」や「その他の人」との人間関係が多く寄せられたとしています。その他には「職場環境」「勤務形態」「仕事の質的負荷」「職務内容」などが続きますが、人間関係の相談案件が目立つように思います。

実は、セミナーなどで「職場の問題が関係したと思われる欠勤や休職ならば、その多くは労災から給付を受けられるのではないか?」と質問を受けます。

精神障害(労災保険でのメンタル疾患の呼び方)が、労災の給付対象になるかどうか、あくまで概略にすぎませんが列挙してみると、

1.対象となる疾病を発症していること
2.発症の前の一定期間に業務において負荷が高い事象があったと認められること
3.労働者側に固有の原因がなく業務上の災害と認められること など

という基準があり、最終的には申請内容一件づつを総合的に検討して判断がされるようになっています。

実際、平成23年度に労災給付で精神障害が対象と認定された方の件数は、325件と発表されています(資料出所:厚労省 脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況 労基法施行規則別表第1の2第9号の精神障害を集計)。

一方で、日本では100人に3~7人という割合でこれまでにうつ病を経験した人がいるという調査結果があります(記載引用:厚労省ホームページ みんなのメンタルヘルス)。
これらの件数からは、同じ職場環境のもとに働いていて、うつ病などのメンタル疾患を経験する人と、自身や職場の総合力で対応している人がいるとみるのが妥当と思います。

そうしたことから、メンタル疾患の背景に何らかの職場の問題があるとしても、すべてを労災の給付の対象としていないと整理して理解することができるでしょう。

自ら好んで精神的に不調になる人はおられないというのはいうまでもないことと思います。
精神的な不調に陥らず、一人ひとりの可能性発揮と企業への貢献を引き出していくには、働く人自身の職場対応力と職場の総力が求められていると思います。