式年遷宮って建築技術伝承なの?

今年は出身地の三重県にある伊勢神宮が20年に一度行われる式年遷宮の年だそうです。
昨年末に久しぶりに伊勢神宮さんの外宮さんと内宮さんにお参りに行き、外宮式年遷宮会館で説明を聞く機会がありました。

(ちなみに、三重方面では以前も書きましたが、身近に思う大事なものを「○○さん」という習慣があり「お伊勢さん」とよくいいますので、さん付けで書いています。)

式年遷宮は、外宮さんと内宮さんの二つの正宮の正殿、14の別宮の全ての社殿を造り替えて神座をお遷しする行事です。要するに神社の社殿を比較的短期間に建て替えてしまうということ。20年に一度行われていて持統天皇の690年が第一回目だそうです。この辺りはウィキペディアでもお読みいただけます。

では、年末に聞いた遷宮についての説明の方がおっしゃる中で印象に残ったものを2つ。

  • 式年遷宮の目的は?

 

神事のひとつとして、新しいお住まいに神様をおむかえするものだそうです。20年に一度、清らかな場所へお迎えするのです。そこで、マスコミでは「式年遷宮を繰り返すことによって宮大工の技術を絶やさずにすむよう技術伝承の目的があった。といわれることが多いのですが、それは神事を繰り返してきたのちの結果論であって本質ではないのですよ。」ということでした。一昨日の某経済新聞でも「式年遷宮を行って技術伝承をたやさなかったのだ。」と書かれていましたね。仕組みつくりが大切だという昨今の解釈にぴったりきますが、やはり、それは結果論と思っていたほうが、ご利益がありそうです。

  • 伊勢市の5分の1がお伊勢さん宮域

 

宮の広さは、約5500ヘクタールで伊勢市の約5分の1を占めるそうです。森では神殿を建て替える時に使う木材を育てており、今回の遷宮の40%を伊勢の森で育てたそうです。そして、古くなって取り壊した神殿の木材はお伊勢さんの鳥居になったり、日本各地の神社へわたってリサイクル利用されるそうです。

受け継がれている年月と心と行事は、なかなか奥が深いと思いました。