1,075万円とは何でしょうか。ホワイトカラーエグゼンプション

皆様の疑問に答える シリーズ7

時間によって賃金を支払うことではなく、成果によって賃金を支払う労働者に関する規定を労働基準法で定めようという検討が厚労省で行われているようですが、その中に年収1,075万円を超える労働者が要件のひとつというものがありますね。中途半端な1,075万円とは何の数字でしょうか?

これは、現在すでに労働基準法第14条の有期雇用の特例(*1)となる基準に該当する人のひとつの要件と合わせようということから、提示されている年収です。

1,075万円の根拠は、先の労基法有期雇用特例要件を検討した第32回労働政策審議会労働条件部会で説明された資料があると聞いています。(ただし現在、この資料がウェブでは掲載されていないのでお示しできませんのでご了承ください。)

いろいろ調べてきますと、「使用者との交渉上で不利とならずに交渉ができ、技術系の課長職の全年齢の平均年収の上位4分の1に当たる人の年収」を統計値から導いて、要件の一つにした経緯があるようです。(当時の審議会資料が入手でき次第お知らせします)

今回、ホワイトカラーエグゼンプションの対象にする労働者の要件は審議会等で長く検討をされてきたことです。その検討事項のひとつにも、年収をある程度稼いでいる人という基準をどの程度にするかが、ずっと以前から検討されていました。

800万円以上や1,000万円以上という検討もあったようですが、すでに労基法で1回の有期契約が基本が3年を超えられないとしている除外規定の特例的な扱いである、1回の有期契約を5年を超えないまで契約できる労働者の基準(*1)の中にある、年収1,075万円を下回らない人という基準とあわせておこうという告示案です。

さてこちらには、「それにしても対象者が少ないのではないか?!」という声が、経営者から聞こえてきていますが、すでにある制度と整合性を合わせていること、また最初は対象を絞っておいて、状況をみながら範囲広げるかどうか情勢を見ていきたいのだろうと考えればすっきりしますね。

(*1)すでに基準が示されている、労働基準法第十四条第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成十五年厚生労働省告示第三百五十六号)はこちらですrouki14_kijyunnkokuji

働きかたについて 現在最新の労働審議会 配布資料 H27.1.16はこちら
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071224.pdf