社会保障制度改革国民会議 ここに注目

中長期的に社会保障制度を考える提案として行われてきた専門家の会議の最終報告書がまとまり5日に発表されました。ニュース等でも耳にされたと思います。

昨夜のニュースで街頭の声として取り上げられているものには多少なりともテレビ局編集の偏りがあると思います。そこで、

社会保障の給付を考えるときに、国民の多数が自覚しているけれどもなかなか口にしない大事なことが街頭からのメッセージとして取り上げられないことが残念です。

「老後の生活の自助努力や子供など家族の私的負担」や、年をとっても豊かに過ごせて病気にならない「自分の健康管理」があったうえで、それでももしものときにささえあうもの。社会的に備わっているものが社会保障ですよね。超高齢化といわれるようになるわが国では、みなさんが思っているこの当たり前のことを声にして確認しあっていくことが大事だと思います。

ウェブで読める報告書は46ページありますが、こうしたことに触れていないか読んでみると、ああ!よかった!!書かれています。こうしたことをマスコミもテレビで流してほしいです。

ここまで読んで下さった皆さま、報告書6ページを抜粋しましたので、ご一読していただき共感していただければとてもうれしく思います。

↓ ↓

(4)給付と負担の両面にわたる世代間の公平

③「世代間の損得論」と高齢者向け給付の持つ「現役世代のメリット」

年金制度や高齢者医療制度、介護保険制度を念頭に、「世代間の不公平」を指 摘する意見がある。すなわち、「親の世代は、少ない負担で多額の給付がもらえ たが、若い世代は負担に比べてもらえる給付が少ない」という世代間の損得論 の主張である。 しかし、年金制度や高齢者医療制度、介護保険制度は、子どもが老親を扶養 するという私的扶養を社会化したものであることに十分留意が必要である。

例 えば、年金制度が十分に成熟する以前の世代は、親の私的扶養もしながら、自 らの保険料を納めてきたのであり、公的年金の給付と負担だけをみて損得論を 議論するのは不適切である。また、介護保険制度の創設により、家計における 税・保険料の負担は増加したが、一方で介護サービスが大幅に増加し、その結 果、主に女性が担っていた家族内での介護負担は軽減している。

このように年金制度を始めとする社会保障は、単に高齢世代のメリットとな っているだけではなく、高齢世代の生活保障を社会的な仕組みとして行うこと によって、その子や孫の負うべき負担を軽減し、現役世代のメリットにもなっ ていることを考慮する必要がある。

以上、部分的に抜粋しました。報告書全文は、首相官邸ページでご覧いただけます。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai20/gijisidai.html