大手精密機械メーカーの社員2人が希望退職を拒否したために子会社に出向させられたのは人事権の乱用だとして出向命令の無効などを求めたのに対し、東京地方裁判所は12日、「社員が自主退職することを期待して行われた出向命令とみられ、人事権の濫用だ」として出向命令は無効だとする判決を言い渡しました。会社側は、「高等裁判所の判断を得たい」とし控訴しました。(NHKウェブサイトより)
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[雑感]
労働契約法は、第14条 で出向について合理的な事情がなければ人事権利を乱用したとして無効としています。「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。」
権利濫用であるか否かを判断するに当たっては、出向を命ずる必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情が考慮されることを規定したものです。
今回の裁判例では、出向が行われる前に事業再編成にともなった希望退職の募集と、個別にそれに応じるようにという面接があったということです。
裁判での情報が詳しく出ましたら背景をよく知っておきたいと思っているとともに、今後の動向を見ていきたいと思っています。