税 社会保険 被扶養者の限度額

数日前に、このブログで、健康保険の被扶養者認定について書きました。

税制や社会保障の被扶養者制度の説明を求められる機会が多くありますが、その際には質問に答えなければなりませんから、現在の制度をしっかり説明します。

それと同時に、収入を得られる手段と働く意欲をおもちの方々には、これをきっかけに制度を意識することなく収入を増やすことを前向きに考えることを申し添えることを忘れないようにしています。

この被扶養者認定については、いろいろと思うところがあります。働き方については個人の選択肢が多いほど豊かな社会になってくると考えています。そこで、日本の税制や社会保障の被扶養者という枠組みは、そろそろなくすべきではないかと思うわけです。

そこそこ収入が稼げる力のある人が、被扶養者の枠内で働いたほうが、夫婦の手取り額の合計で見たときの実入りに有利だと判断して、一定収入に抑えてしまうことに社会の制度が影響を与えていようです。

稼ぎを抑制する影響のある社会の制度の一つが、健康保険制度の配偶者を被扶養者にすると、国民年金の第三号として、年金保険料の負担なく、被扶養者本人の将来の年金額につながるという制度かもしれません。給与であれば年収130万円に抑えて働く人、もっといえば税制上の配偶者控除枠も考えて年収103万円に抑えて働くと人がいるということです。

実際に夫婦単位でシュミレーションをしてみると、被扶養者を外れて、夫婦で収入の少ないほうが150万円程度を超えて働くようになると、現在の制度でも夫婦の手取り合計が増えてきます。(*ただし、会社の家族手当がある夫婦では計算が変わります)

 

2014.9.12日本経済新聞朝刊(11日付=英フィナンシャル・タイムズ特約)にて、同じような記事をみつけましたので、引用します。現在の被扶養者枠は、約1万ドルに相当するというところに分かり易さを感じた記事です。(記事は記事の一部抜粋です。全文の主旨とくに、性別の格差について述べられているものではありません。)

賃金格差を是正し、日本の女性の労働力の活用を推進する策について、

「手軽な対応策は税制改正である。現制度では妻の収入が1年間に約1万ドル以下の場合、世帯主の男性は控除を受けられる。家計の第二の所得者を中立的に扱えば、フルタイムの仕事を求める既婚女性が増えるはずだ。」