うつ病などの私傷病で一定期間休職した人が出勤を始める前には、職場復帰のために軽作業などを短時間行ってもらうことがあります。一般に「リハビリ出勤」、「ならし出勤」とか「試し出勤」と呼ばれますが、職場復帰プログラムをきちんと整備する必要があります。
企業によってそのプログラム内容は様々ですが、主治医の意見、産業医の意見を聞き職場復帰について配慮すべきことを把握しなければならないでしょう。
そのほかに、プログラム期間中の処遇をはっきりと決定し、本人や家族に説明しておくことが重要です。
その中で、給与面はどう考えたらよいのでしょうか。
事業主は、「リハビリ出勤プログラム中」は出勤なのか、または休みのままなのかを明確に決め、その中で傷病手当金や公務員等であれば地方公務員(業務上)災害補償の取り扱いを決め社員・職員(被保険者)にあらかじめ説明をしておく必要があると思います。
例えば、国家公務員は人事院が「円滑な職場復帰及び再発の防止のための受入方針」
http://www.jinji.go.jp/kenkou_anzen/ukeirehoushinkaitei.pdf
(↑20ページあり、制度をあらかじめ説明することなどが書かれています)
を公表し、「試し出勤は職務として位置付けられない。また休職中の職員に支給される給与等が支給される以外はいかなる給与も支給されない」としています。ただし、その間に事故にあった場合は、国家公務員の公務災害の対象になるケースもあるので個別に相談をすることを求めているようです。
事業主の指揮命令下において労働日とするか、私傷病期間中の労務不能日として傷病手当金の対象日とするか、そして万が一業務の災害にあったら労災の対象になるのかなどの整理が必要です。
文中で紹介した資料は、国家公務員の「試し出勤制度」ですが、事業主が制度を作る時や、健康保険組合が傷病手当金の支給を検討するときに参考になると思います。